memories of Paris
パリの街を散策する時
多くの人が利用する地下鉄「METROPOLITAIN」
フランスの街がこんなにも美しくロマンティックに感じるのは街のあちこちに芸術作品が溢れているから。メトロの階段を上がる時私達は知らずしらずに芸術のシャワーを浴びています。ゲートをくぐった瞬間にパリの魔法が始まるのです。
CITE METROPOLITAIN
1900年に建造されたパリのメトロ。
時はアールヌーヴォー全盛期、メトロ建造にはパリで建築家としてすでに活躍していたエクトール・ギマールが選ばれました。芸術を大衆の身近なものに普及させたいと考えていたギマールは地下鉄の出入り口を芸術的なデザインで飾ることにしました。メトロ最盛期にはこのような美しいゲートがパリに160箇所以上あったそうです。全て見てみたいと思うところですがその後、芸術の流行が移り変わりメトロのゲートは取り壊されてしまいました。残念ながら現在あるもののほとんどは複製です。
シテ島のメトロの入り口を飾るゲートはアーチ型。
鈴蘭の花をモチーフにしたもので「brins de muguet(鈴蘭の茎)」と呼ばれています。全体像としてMetropolitainのMをモチーフにしているそうで曲線が美しくうっとりします。
中でもこちらの作品で一番印象的なのが両端にぶら下がる赤いランプ。
建造された1900年はパリ万博が開催された頃で、当時としては新素材であった鉄やガラスを使った作品が時代の最先端でした。鉄とガラスの組み合わせは当時のスタイルとしては斬新なものでパリ万博に訪れた国内外の多くの人達を魅了したそうです。
100年以上の時が経ちましたが今も多くの人がここで立ち止まり、100年前と同じように作品を見上げています。
人の心を動かしパッションを与えてくれる芸術作品は本当に素晴らしいものです。
ギマールの残した作品は今も多くの人に影響を与え続け現代の建造物や芸術作品に取り入れられています。
多くのアーティストが彼の作品に感銘を受け愛し、ヒントを得て現代そして未来に繋いでいます。
私もその一人になれたらと夢見るギマールファンの一人です。