モノに宿る思い出の話し

数年前に訪れたジブリ美術館の入場券はとても素敵なモノだった。

入場券にはジブリ映画のフィルムが差し込まれていて光にかざすとあのシーンが蘇る。

どのフィルムが貰えるかはその瞬間のお楽しみで私が手にしたのはトトロの雨の日のあのシーンであった。

何度も眺めたくなる素敵なモノだったので額縁に入れていまも部屋に飾っている。

モノにはその時の思い出が宿る。この入場券を眺める度に美術館を訪れた時のことや映画を見ている時のことを思い出し何度も楽しい気分を味わっている。

モノの価値とは何だろう。

モノにはお金を払って手にするモノとそうでないモノがあるけれど、大抵のモノはお金を払って手にしている。その金額はまちまちで高いと感じたり安いと感じたり、同じモノによっても人それぞれ感じ方は違うからモノの価値は金額に比例するものではない。

一枚の入場券がその人にとって大きな価値を生み出すこともあれば、高いお金を払って手にしたモノでも時間が経てば価値を感じなくなってしまうモノもある。

モノの価値とはモノに宿る思い出ではないだろうか。価値は手にするモノではなく感じるモノだ。

高いお金を払って買ったモノでもそこに思いが無れければ、金額という価値は時間が経てば無くなる。しかし使い終わった入場券でもそこに楽しい思い出があれば何年経っても価値あるモノとして存在し続けるのだ。

モノの価値は思い出と共に存在している。モノに価値がついているのではなく思いに価値が生まれているのだと思う。思い出が生まれるモノを作りたい。それがモノ作りを創めた原点である。

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